2019-11-20 定年後は役に立たない読書をこころがける;「引用してやろう」といういやしい心なしに、素直に何冊も読む

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2019-11-20] 定年後は役に立たない読書をこころがける;「引用してやろう」といういやしい心なしに、素直に何冊も読む

『平泉 — 北方王国の夢』(斎藤利男) を読み終わった。 いまいち食い足りなくって、そして、 当時の中央(京都)のことを知りたくて、 手元にころがっていた 石母田正の『平家物語』 を読む。 ビミョーに専門違いのところなのに(石母田は古代史の専門)、 素晴しい『平家物語』の入門書だ。 歴史家の石母田はほとんど顔を出さず、 [–ちょっとがっかりしたけど–] すばらしい文学批評をつくりあげている。 分析の仕方もきわめてモダンだ(1957年とは思えない) — というより、 ぼくが今まで読んだなかで最良の文芸批評だ。

そう言えば、たまたま同時に読んでいるのが 『十二世紀ルネサンス』(ハスキンズ) — みんな12世紀だぁ。 12世紀の専門家になろうかしらん。

ちなみに、インドネシアは・・・と思って調べたら、 シュリヴィジャヤの末期だった。 マジャパヒトは13世紀の末にならないと出てこない。 説話によれば、人々がフローレス島にやってきた時代だ。 12世紀といえば、 単純計算して、36世代くらい前の話 — エンデの人の系譜もそこまで長くない(せいぜい20世代だ)。