2023-04-29 The Great Revolt (by Doherty) を読み終わった ---アセルスタンはドミニコ会の修道院に呼ばれ、教区から離れる;反乱軍はロンドンに流れ込む;ロンドンは死体や首でいっぱいだ;反乱軍の目標となっている筈の盟友サー・ジョンはどこにいる?;教区の人たち、とりわけ美しきベンディクタの運命は?;後半部は一気読みでした

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2023-04-29] The Great Revolt (by Doherty) を読み終わった —アセルスタンはドミニコ会の修道院に呼ばれ、教区から離れる;反乱軍はロンドンに流れ込む;ロンドンは死体や首でいっぱいだ;反乱軍の目標となっている筈の盟友サー・ジョンはどこにいる?;教区の人たち、とりわけ美しきベンディクタの運命は?;後半部は一気読みでした

The Great Revolt’ (Doherty 2022)を読み終わった。 アセルスタン修道士シリーズ第16巻だ。 数巻前からあちこちでおきる農民の叛乱 (The Great Revolt)が物語の背景にあったが、 今度は叛乱の真っ只中(1381年6月)の物語である。

物語はドミニコ会の修道院からはじまる。 反乱軍はロンドンを包囲しており、いつでも入ってこれる状況だ。 院長から命ぜられた仕事をすべく、 アセルスタンはその修道院に滞在しているのだ。 そこはアセルスタンが教育を受けた場所である。 現在の王、リチャード二世(14歳)が、 彼の曾祖父エドワード二世を聖人に列したいという希望をもっており、 その調査を当該の修道院全体で行なっているところである。 調査チームの一員であるブラザーが殺されるという事件が起こる。 この殺人事件(およびそれに続くいくつかの殺人)を解くのが、もちろん、 アセルスタンに任されることになる。

反乱軍はとうとうロンドンに入りこみ、 役人、裕福な商人、外国人などを殺戮していく。 ロンドンの町は死体や首でいっぱいだ。 もはやロンドンは気軽に歩ける場所ではない。 そしてそこここで暴力が爆発する。 修道院に閉じ込められたアセルスタンには、 盟友サー・ジョンがどこにいるのか、 さては死んでいるのかさえも分からない。 さらに気がかりなのは、 彼の教区の人たちにどのような運命が降りかかっているのかということだ。 反乱軍の中で重要な地位をしめている男たちはどうしたのか。 美しい未亡人、ベネディクタはどうしているのか・・・。

物語は、 修道院の中の一連の殺人事件と、 それを取り巻く歴史的な叛乱という二つの流れの中を うねりながら進んでいく。 後半になると、一気よみだった。

これまでは「物語をいろどる可憐な花」でしかなかった ベネディクタの大活躍が嬉しかった。 拍手したくなってしまった。