2023-07-31 Charles Sheffield の _Cold As Ice_' を読み終わる ---最後の100ページは一気読みだった

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2023-07-31] Charles Sheffield の Cold As Ice’ を読み終わる —最後の100ページは一気読みだった

やっと読み終わった。

冒頭、別々の場所での別々の物語が淡々とつづく。 謎もなければ、スリルもないので、 「先をいそぐ」気分がまったく起きない。 物語も中盤を過ぎて、 どうやら木星の衛星エウロパを開発しようとする 大金持ちモバラクと、 それを阻止して、 エウロパの自然系をそのままに残そうとする役人ヒルダ・ブラントの 間の葛藤が軸になるのだと分かって、 やっと読書のスピードが少しだけあがった。 じっさいに動きまわるのは、 彼らより一世代若い、若者たちだ。

登場人物がエウロパに集結したあたりから、 物語のスピードが一気にあがり、 ぼくの読書のスピードも一気にあがった。 問題は、あまりに長い時間をかけて読んでいたので、 最初の頃の状況をまったく忘れていたことだ。 Kindle 読書のいい点の1つ、簡単に検索できるという点を利用して、 過去にもどって、 曖昧な記憶しかない人名とその人にまつわるエピソードを確認していった。 そうやって、本の中をあちこち飛び回る中で、 物語のプロローグで描かれる25年前の小さなエピソードが、 じつは、この物語全体を支配していることにやっと気がついた — 「そんなエピソード、とっくに忘れているよ!」

物語の最初からでているのだが、 物語には積極的にはかかわらない不思議な人物、 バット(ほんとの名前は Rustum Battachariya)が、 最後の最後で「名探偵」となるという展開はなかなか小気味がいい! ポワロのように、 関係者全員を呼びつけて、 バットがすべての謎をとくのだ。

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最後は一気読みだったのだが、 つぎの巻(これは三部作だ)を読む気力はない。 The McAndrews Chronicles で彼に出会ったときの感動はうすれてしまった。