2025-06-21 The Man in the Brown Suit (by Agatha Christie) を聞き終わった ---ジェットコースター・ムービーみたいに、楽しめた

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2025-06-21] The Man in the Brown Suit (by Agatha Christie) を聞き終わった —ジェットコースター・ムービーみたいに、楽しめた

この1週間ほど散歩のお伴は The Man in the Brown Suit だった。 [–BBC のフルドラマタイゼーション–] じつに楽しかった。 [–一度読んだと思うが、筋をまったく忘れていた–] 強いて分類すれば、 たぶん The Secret Adversary (Tommy and Tuppence series)の流れかな。 ぼくの中では、 Why Didn’t They Ask Evans 同様の「単発もの」という分類だったが。

女主人公 Ann Beddingfield は “Pamela in …” シリーズの大ファン。 スピルバーグがあこがれた、シリーズものの冒険映画のようなものだと思う。 その映画の主人公のパメラのように、 アンはつぎつぎに冒険に巻き込まれていく。 クリスティは書いていて楽しくてしょうがなかったんじゃないかしらん。

ちょっと目には Paul Temple シリーズに似てなくもないが、 ストーリーはきっちりしている — ポール・テンプルでは、ただただ回数をかせぐために、 [–ポール・テンプルシリーズは有名なラジオ・シリーズ–] いろんな事件が起きるのだが、 さすがクリスティである、そんなことはない — The Man in the Brown Suit では、それぞれの事件は 緊密に(それなりに「緊密に」)つなぎあわされている。

全編をつらぬく謎は “The Colonel” が誰なのか・・・というものだが、 選択肢はそれほど広くないので、 謎をといても、読者がびっくりするわけではない。 それでも、 “The Colonel” のキャラクターが楽しいので許してあげる。

あまりに愉快だったので、 原作を読みはじめる。 たいていの人物が、「みた目」や「最初の印象」や 「自分で言うところの人間」ではないので、 最初から読むのが実にたのしい。 「あ・こいつ、最初に出てきたときはこんな印象だったんだ」 [–なお、ナレーションのほとんどはアンの一人称語りである–] とにやにやしながら、 今、読んでいる。

いろいろ書きたいこともあるが、 とまれ、 とても楽しんだ。