2023-04-27 きょうの散歩のお伴の In Our Time は「カンブリア大爆発」だ ---メイナード・スミスとサトマーリの『生命進化8つの謎』を読んでいるところだったので、すばらしいタイミング!

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2023-04-27] きょうの散歩のお伴の In Our Time は「カンブリア大爆発」だ —メイナード・スミスとサトマーリの『生命進化8つの謎』を読んでいるところだったので、すばらしいタイミング!

きょうの散歩のお伴も In Our Time だ。 In Our Time の今日のタイトルは Cambiran Period (2005-02-17 放送) だ。 In Our Time は科学分野が一番おもしろい。 ちょうど学会発表のために進化論を食い散らかしていた時でもあり、 とっても面白く聞いた。 「カンブリア大爆発」とは、 いまから5億3千年前、カンブリア紀において、 複雑な構造をした多くの種類の海洋生物がとつじょ出現した「事件」の ことである。

番組のある時点で、当然のことだが、 この事件に関する有名な本の1つである、 グールドの Wonderful Life: The Burgess Shale and the Nature of History’ (Gould 1990) が話題になった。 司会のメルヴィンが、 その本の中で主張されている グールドの「歴史の巻き戻し」議論についての意見をゲストに尋ねていた。 一人のゲストはその通りだと言っていたようだ(あるいは、 たんにその議論を視聴者に説明しただけだったのかもしれない) — 進化の歴史を巻き戻すと、 歴史は全然ちがった流れをとるだろう、というのだ。 その中にはホモサピエンスが現れない歴史だって、もちろん、あるわけだ。 もう一人のゲストは、 「そんなことはない。もう一度おなじようなコースをとるはずだ」と主張した (ようだ)。 彼が言うには、 「その証拠は・・・」(かな?) 「イルカの脳がうんぬんかんぬん・・・」(自信なし)。 じつは、 この辺がよくわからなかった。 興味あるところなので、もう一度聞き直しておこう。

グールドの評価って生物学界ではどうなっているのかな。 「適応万能主義批判」、「断続平衡説」そのものはともかく、 その背景になっている偶然万能主義(ぼくの命名)って、 とても説得的なのだが・・・。 偶然万能主義にちょっとだけ適応主義をふりかけた 「ほぼ偶然(ときどき適応)説」(ぼくの命名) [–大ざっぱにいえば「ほぼ中立説」なのだが、あれは分子レベルの話–] がもっとも説得的だと、ぼくは思う。 しかし、 ドーキンスなんかを読んでいる限り、 グールドなどの説はもはや見捨てられた学説のように響く。