2023-07-24 きょうの In Our Time は Anscombe だ;ぼくの神様 ---うれし!

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2023-07-24] きょうの In Our Time は Anscombe だ;ぼくの神様 —うれし!

きょうの散歩のお伴の In Our Time は、 なんと Anscombe だ!

一生を変えた本というのがあるとすれば、 ぼくにとってそれはアンスコムの『インテンション』である。 時は1981年、いまから40年ほど前のことだ。 場所はオーストラリア国立大学のメンジス図書館。 なぜか、ぼくは哲学の棚をうろうろしていた。 ぼくの指が、目立たない小さな黒い本をさぐりあてた。 これがアンスコムの『インテンション』である。

いまだに分からないのだが、 ぼくはこの本をすぐ借り出した。 もっと不思議なのだが、 ぼくはこの本を むさぼるように読んだ。 今読んでもとても難しい本なのに、 そして、 それまで分析哲学の本なんて読んだこともなかったのに、 ぼくは、いったいどうやって感動したんだろう。 ともかく、それ以来分析哲学を読み漁った。 あとの40年間の物語は省略する。

閑話休題。

さて、 In Our Time (podcast) にもどろう。 この回はできたてのほやほや、 おととい 2023-07-22 の放送だ。 毎回冒頭で司会者メルヴィンによる 話題(今回はアンスコムという人物)の紹介があるのだが、 まずは、 オックスフォード大学がアメリカ大統領、トルーマンに 名誉博士号を授与しようとした時、 アンスコムが強く反対したというエピソードが紹介される。 彼女はトルーマンを「無垢の人間を大量に殺戮した殺人者」と 糾弾するのだ。 もちろん原爆投下が問題にされているのだ。

このエピソードは、 放送の半ばでまたとりあげられるのだが、 ポイントは、 アンスコムの行為の哲学は、 道徳の問題と深く関係する類の行為の哲学だ、ということである。

恥ずかしながら、ぼく自身、 彼女のこの視線にはまったく気がつかなかった。

いまとりくんでいる「いじめ」の問題 (とりわけ別役実の枠組での問題への取り組み)へ、 おおいに寄与する視点である。 ようするに、 意図と責任と倫理という三つ組の問題として「いじめ」を 考えようということだ。

アンスコムをきちんと読みなおそう! そうだ! たまたま買ったまま読んでないアンスコムの本があるぞ・・・ Human Life’ (Anscombe 2011)。 さぁ、頑張ろう!