食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。
[2025-05-19] [Floresa]
原題は:
Komunitas Transpuan di Sikka Pertemukan Anak-Anak Nangahale dan Nangahure, Cara Tumbuhkan Empati dan Solidaritas Sejak Dini
Sider による要約は:
このドキュメントは、 インドネシアのフローレス島におけるナンガハレの土地紛争と、 その被害者である子どもたちのトラウマケア活動を中心に描いている。 コミュニティ団体 Fajar Sikka は、 土地強制立ち退きの影響を受けた子どもたちに対し、 共感や連帯感を育むための「トラウマヒーリング」や交流活動を実施しており、 孤立感を軽減させている。 一方、 土地の所有権を巡る長期的な対立や弾圧の過程も伝えられ、 地域の土地紛争とそれに伴う人権侵害の深刻さが浮き彫りとなっている。 この活動は、 被害者の心の癒しとコミュニティの連帯を促進する一方、 土地紛争の根深さと解決の難しさも明示している。
以上、要約おわり。
“Transpuan” はまったく知らない単語だった。 “Transgender” & “perempuan” (インドネシア語の女性)の portmanteau [–「かばん語」、ハンプティーダンプティーがつかった–] だという。
シッカ県(ぼくの調査地、エンデ県の東隣の県)のナンガハレ (Nangahale) の 事件は(もともとの事件も複雑であるが)かなり不思議な展開をみせている。 このブログでも紹介したが、 シッカ県のとあるカトリック教会に所属する会社が、 彼らの所有している土地(ナンガハレ)から、そこに住んでいる人々を 追い出したのである。 住民は、この土地はもともと彼らのものであり、 植民地時代に違法にとりあげられたものだ、というのである。
くわしくは、私のブログの こことか、 こことか、 ここ とかを見てほしい。
そして、難民となったナンガハレの住人の、 とりわけ子供達の心の傷を癒すために、 トランスジェンダーの女性たちが立ち上がった、という記事である。
記事の後半、 「教会法人との長引く紛争」と題して、 もともとの事件の詳細が描かれている。 以下は翻訳 (DeepL) である。
シッカ県東部の村ナンガハレは、 ソゲ・ナタルマゲ族と ゴバン・ルヌット・タナ・アイ族 (Tana Ai) の先住民族と 教会法人 PT Krisrama との間で最近起きた土地紛争の現場である。
868,730ヘクタールの土地をめぐる紛争は、 植民地時代にオランダ企業が先住民から所有権を譲り受けたことにさかのぼる。
その後、 この土地は2013年までの25年間の契約期間中、 PT ディアグ・ココナッツ・プランテーションを通じて エンデ大司教区に譲渡された。 2005年にマウメレ教区が設立された後、 マウメレ教区が管理するようになり、 PT クリスラマが設立された。
2014年に住民が埋め立てた後、 紛争はエスカレートした。 しかし、 紛争と住民による土地の占拠のさなか、 PT Krisrama は 2023年に耕作権タイトル(HGU)許可の延長を受けた。
2025年1月、 同企業は「整地」を口実に立ち退きを実施し、 住民の家屋や農作物に被害を与えた。
PTクリスラマはこうした取り組みに対して法的措置をとり、 その結果、7人の住民が10ヶ月の禁固刑に処せられた。
一方、 2人の牧師が土地強奪と殺害予告の容疑でNTT管区警察に通報したため、 他の住民数十人が法的手続きに直面している。