食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。
[2026-10-23] [Floresa]
原題:Ritual Barong Wae: Menjaga Air, Merawat Warisan Leluhur Manggarai
フローレッサ紙 (Floresa)の記事である。 西マンガライ県で行なわれた水の精霊をまつる儀礼の詳細な紹介だ。
【S】 西マンガライ県 (Kabupaten Manggarai Barat) サノ・ンゴアン郡 (Kecamatan Sano Nggoan) は、 どうやら Floresa 紙が重点的に調査している場所のようだ。 人類学者の調査並の木目細かいデータをあつめている。
たしか、西オーストラリア大学の Anthropological Forum で、 マンガライの水の精霊の論文を読んだ覚えがある。 調べてみたら、 “Static Crosses and Working Spirits: Anti-Syncretism and Agricultural Animism in Catholic West Flores” (Allerton 2009) だ。 それなりに面白かった記憶がある。 さらに、 インドネシア人による論文 “From Local Wisdom to Global Ethics: A Spinozist Reading of Barong Wae Ritual of Manggarai Community in Indonesia in the Context of Global Water Scarcity” (Tan \& Senda 2026) が ヒットした。 ピンポイントで儀礼も同定されている。 今年出たばかりの論文だ。 著者(タンさん)は FLoresa と関係あるのかしらん。
以下は 【Claude.ai】 による当該の記事の要約である。
媒体・日付:Floresa(Reportase / Liputan Khusus)、2026年10月19日、Tim Floresa
西マンガライ県サノ・ンゴアン郡ワエ・サノ村の住民が、10月6日、約60年ぶりにワエ・クタ湧水で水源儀礼バロン・ワエ(Barong Wae)を行った。ラブアンバジョ司教区の聖ミカエル・ヌナン小教区が創設60周年を記念して開いた「ブミ・サノ・ンゴアン祭」の一環である。伝統衣装の住民は、ヌナン集落の長老ヘルマン・ヘマト(74歳)と主任司祭ジェンパウ神父に導かれて湧水まで歩き、貯水槽への流れをふさぐ落ち葉を取り除いた。そして卵や米、キンマ、地鶏などを供え、天、地、祖先、湧水の守り手の四方に祈った。天と地は父と母にたとえられ、ともに敬うべきものとされる。
儀礼が途絶えたのは、1966年にドイツ人宣教師のもとでヌナンが小教区の中心になってからである。偶像崇拝と見られるのを恐れた信者が伝統儀礼を手放し、村全体で行う必要のあるバロン・ワエは保てなくなった。ヘルマンは儀礼にあたり、長い中断を祖先に詫びたという。かつて村長として湧水周辺の植林と開墾禁止を進めた人物でもある。ジェンパウ神父は、祖先を敬うことは偶像崇拝ではなく、湧水を損なうことこそ「生態学的な罪」だと述べた。
水源の状況は厳しい。周辺の三つの湧水はすでに涸れ、ワエ・クタがヌナンの50世帯と小中学校を支えている。背景には地熱開発もある。エネルギー鉱物資源省は2017年にワエ・サノを30MWの地熱事業の予定地に指定したが、住民は共有地や水源が脅かされるとして反対してきた。2023年に世界銀行とニュージーランドの援助が撤退し、事業はいま止まっている。祭りの主催者は、地域内の緊張を考えて地熱の話題を避けたという。