2016-04-08 [News] レンタル乗客 (Passenger for Hire)---ジャカルタの絶滅危惧の職種

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2016-04-08] [BBC Indonesia] ジャカルタの交通渋滞を解消するために、 市当局が「(指定の道路では) 自動車には3人以上の乗客がいなければなら い」という条例をつくった。 (10年以上前だと思う。) そのとたんに「ジョッキー」 (“Jocky”) という 新しい職業ができたのだ。 それらの道路の端に立ち、指をつきだす— これが「わたしはジョッキーだ」という合図だ。 乗客の数が足りないが、その道路をどうしても 使わなくてはいけないドライバーが、 彼ら、ジョッキー、すなわち 「レンタル乗客」を雇う、というわけである。

ここまでは知っていた。

どうやらこの条例が(効果がないので)廃止になる という。 なので、この商売、ジョッキーもなくなる運命となったのだ。

そんな中、BBC はジョッキーたちにインタビューをして 記事を書いている。 とっても面白い。

まず、ジョッキーたちのほとんどが 女性だという。 これはまったく知らなかった。 「家計の足し」に簡単にできる商売、だからなのだろう。 一人のジョッキーが言うには 「家には何人もの子供がいて、 学費がたいへんなの」だそうだ。

警官に職務質問をされたことも あるそうだ。 どうせ、警官がお金をせびったのだろうと 思ったが、 そうではない。 「危険な目にあうかもしれないんだから、 あまり頻繁にやるんじゃないよ」と (分かったような分からないような、でも 親切な)助言をしてくれたそうである。

なんといっても、 インタビューを受けているおばさんの ジャワっぽいインドネシア語の響きがなつかしい。 テ・ボトル(瓶づめの甘い紅茶)を飲みたくなった。 ジャカルタもわるくないかな・・・。