2015-06-21 [News] ベル県で空手道場同士の喧嘩、死者一名

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2015-06-21] [Pos Kupang]
NTT州ベル県(ティモール島)で、 2つの空手 (silat) の道場 (perguruan) が喧嘩をした、 そして死者一人がでたという記事だ。 原題は “Bentrokan Dua Perguruan Silat di Belu-NTT, Antonius Tewas Ditikam” である。

ベルは西ティモール(インドネシア領)にある 東ティモールとの国境にある県だ。 東ティモールでの幾度かの騒乱の際に 多くの難民が逃げこんだところでもある。 また空手 (silat)・護身術 (bela diri) とは 武道 (marshal arts) であり、 やはり東ティモールで、 若者の間に問題を起こしている現象である。

事件は村落部で起きたもののようだ。 記事の中で東ティモールについての言及はない。

道場の名前を書き留めておこう: 一つは Setia Hati Teratai (SHT) で、 もう一つは Korka であったと、 記事は伝えている。

SHT は ここに wikipedia (インドネシア語版)の記事がある。 wikipedia によれば東ティモールにも支部がある。 ネット上で Korka への言及はいくつか見つかったが、 まとまった記載はない。

Korka は、 Scambary の論文、 “A Survey of Gangs and Youth Group in Dili” の中に記載されている。 “Kmanek Oan Rai Klaran” の省略だという。 テトゥン語だ。 SHT は同じ論文の中で PSHT (Persatuan SHT) として記載されている。

Scambary はこの論文のなかで “Gang” を7つに分類している。 その内の一つが 「武装集団 (Marshal Arts)」カテゴリーであり、 5つのグループを挙げている。 (P)SHT と Kork はそこに含まれている。

なんだかきな臭いな。

以下は記事の要約だ。

金曜の夜、 Halimodok 村の村落指導下士官 (babinsa [–“Bintara Pembina Desa”–] ) である Loranzo da Concenciao の家で、 彼の軍での昇任を祝うペスタ(パーティ)が 行なわれた。

ベル県タシフェト郡マンレテナ村での、 このペスタに人がたくさん集った。

ペスタの行事は楽しく進んでいった。

午前2時ころ、とつぜん騒動が始まった。 2つの護身術の道場の若者が喧嘩をはじめたのだ。 一つは Setia Hati Teratai (SHT) 、 もう一つは Korka であったと考えられている。 ランプが壊され真っ暗となった ペスタの会場はパニックとなった。

この騒動で、けっきょく一人の死者が出た。 そして4つの家とキオスが一つ壊された。 死者の名は Antonius Sebastinao (42) といい、 どちらの道場とも関係のない男であった。