2024-05-14 [News] 社会省生物心理社会アセスメントチーム、東スンバで419人のODGJ (精神障害者)を報告、2人が監禁中 ---エンデのぼくの村でも一人が木枠に繋がれたことがある

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2024-05-14] [Waingapu.com]
原題は: “Tim Asesmen Biopsikososial Kemensos Laporkan di Sumba Timur ada 419 ODGJ, 2 Orang Masih Dipasung”

出典は waingapu.com — 東スンバの県庁所在地がワインガプ (Waingapu) というのだが、 東スンバ県の公的なサイトかもしれない。 はじめて見るサイトだ。

テーマは ODGJ、 すなわち Orang Dengan Gangguan Jiwa 精神障害 (gangguan jiwa) のある人だ。

特別チームの調査によれば 東スンバには419人の精神障害者がいるという。 このうちの4名がパスンガン (pasungan)、 すなわち木枠にはめれらた状態にいた。 チームと家族との話し合いで、 その内の2名が木枠からはずされたという記事である。

ぼくがフローレス島のエンデ県で調査をはじめてから 45年ほどたつ。 日常生活に支障はない 軽い精神障害の人にはしょっちゅう出会った。 彼らは他の人同様に日常生活をおくっていた。 何人か、 まわりから特別な注意を必要とする人たちもいた。 彼らは「ビング」 (mbingu’) と呼ばれ、 しばしば「頭がちょっといかれている」と言われていた。 「ビング」と呼ばれていた あるおばあさんがいた。 彼女は他人の家から家へとわたりあるいていた。 おばあさんが居ついた家では、 とくに何もいわずに彼女といっしょにご飯をたべていた。 ぼくのフィールドでは、、 すくなくともごく最近まで、 「木枠」などという考え方は全くなかったのだ。

5年ほど前、 ぼくの村のある家族の兄弟が手がつけられないような 暴力をはたらくようになったという。 怪我人がでる怖れもあったので、 それぞれに足枷がはめられたということだ。

何も決定的なことは言えないのだが、 ぼくは、 〈外部の「近代的な」処置が村の中に はいってきた〉のではないかと疑っている。 いかにも人類学者らしい思い込みだとは思う。

なお、”ODGJ” の意味を調べるのに、 この語で検索したら二つ、 たいへんに興味深い記事にヒットした。 オランダ東インドにおけるODGJの出現の疫病とその他の原因、 そして 放棄されたODGJの世話をすることは 意的ではありませんが、それは陛下の行動です。 不思議な日本語だが、 機械翻訳(それもあまり上等でないもの)だろう。 ふたつともに VOI.COM というサイトのものだ。 調べたら、(信じられないのだが)インドネシア政府の 広報機関(TVRI と同じものらしい)だった。

[12:45:24] 【補足】 インドネシア語版をみつけた: Wabah dan Sebab Lain Kemunculan ODGJ di Hindia-Belanda、 そして Mengurus ODGJ Terlantar Tak Bisa Sembarangan, Meskipun Itu Aksi Mulia

もう1つだけ面白そうな記事を挙げておく — ODGJとは:症状、原因、適切な治療法 (”ODGJ Adalah: Gejala, Penyebab, dan Penanganan yang Tepat”)。 これはバリ発の記事だ。