2016-06-03 金沢ひとりぼっち 2/4 --- 夜、日本語しゃべってうさを晴らす

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2016-06-03] 金沢ひとりぼっち 2/4 — 夜、日本語しゃべってうさを晴らす

きょうからいよいよカンファレンスの本番である。 朝9時から6時過ぎまで発表の日が三日つづくことにな る。 [–ぼく自身は、最終日は欠席する。–] ゲストスピーカーの時間は それぞれの日の最初(朝9時から)に一人、 そして最後(5時から)に一人、設定されている。 この2つのトークには全員が参加することになる。 その他の発表は2つの会場にわかれて同時進行となる。 参加者は、たぶん、50名から60名くらい。 発表予定者は(ゲストを入れて)30名くらいだろうか。

きょうのトップバッターはインド系の哲学者の、 哲学的認識論の全体の流れをおさえた講演だったようだ。 とにかくむずかしい。[–アメリカの大学で教えているので、 英語はインド風ではない。英語に問題はなかった。 問題は内容だ・・・。–] そしてゲストスピーカーでもかまわずに質問が飛び交う。

一日むずかしい発表をあれこれ聞いていた。 [–一つでは座長をしたが、これは 質問の順番を決めるだけで、たいした仕事ではない。–]

さて、いよいよ午後5時、きょうの最後、 もう一つのゲストスピーカーの発表である。 ANU出身の言語学者によるものだ。 予定表によれば、 彼の発表が終われば質疑応答の時間をとらずに、 すぐに(6時から) 1時間のパネルディスカッションに入ることになっている。 その場で、 その日一日あった発表(最後の発表も含めて)を まとめて議論するのだ。

発表が二日目の最後に設定されていた ぼくはこの予定をきいて嬉しかった。 英語での発表は、まぁできないことではないが、 質疑応答を英語でするのは、ちと怖いのだ。 最後の発表には、 質疑応答がほとんどないと聞いてほっとしたのだ。

さて・・・きょうの最後の発表に戻ろう。 とっても面白い発表だった。 ところどころに、 言語学からの哲学への批判 (というよりアドバイスかな)がうまく効かせてある。

だいたい時間通りに発表が終わる。 「さてここらへんでパネルに入るのかな」・・・

時間が10分ほどあまっていたので、 しばらく言語学者への質問がつづいた。 雰囲気としては、哲学者はあまり 彼のアドバイスを気にいってはいないようだ。

んで・・・

なーんと、「もう7時じゃん!」

パネルディスカッションに用意してあった時間を 全部つかって 彼への質問セッションになってしまったのだ。

これにはびっくり・・・ ぼくの発表もこんなになったらと思うと ゾッとする。

カンファレンスが終わるとすぐに 隣のホテルに会場を移し、 ディナーパーティ(立食)である。

いそがしく立ち回る(主催者の)M本先生に、 「あしたはパネルをするのを忘れないでくださいね」と念を 押す。 ちょっと安心して、 ご飯をぱくぱく。

このカンファレンスでぼく以外の唯一の 日本人スピーカーであり、 数少ない非哲学者の(言わば、唯一の「仲間」の) K沢先生(社会心理学)とお話しする。 とっても気さくな人だったのでほっとする。 彼女もまたいくつかの発表や質問が 「意味わからん」ということで、 これにもまたほっとする。 「よかった。K沢先生がわからないのなら、 ぼくに分からなくたってしようがないや」 (^^;)

とまれ、 ひさしぶりに日本語で、 思う存分に(まったく哲学的でない)話をして うさをはらすことができた。

心配半分、 安心半分で自分の部屋に帰る。

きょうもベッドに倒れこむ。