オイクシおよび国境付近の言語状況
オエクシ (Oecusse) は西ティモールの大半 と同じく、ダワン語 (Dawan) の言語圏である。「顔も同じ、 言葉も同じ、服装も同じ、アダットも同じ」。か つてのオエクシで、テトゥン語 (Tetun) が話されたのはパ ンテ・マカッサル (Pante Makassar) のみで、 それもディリ(Dili city) などオエ クシ外からやってきた者と話す機会に限られてい た。現在も、パンテ・マカッサル、つまり都市部 を離れると、ほとんどの人々はダワン語を使って 生活をしている。
東ティモール独立後も、国境付近の農村では、テ トゥン語はほとんど普及していないのではないか と思われる。国境のインドネシア側では、たびた びそのように説明された。ただし、インドネシア 語 (Bahasa Indonesia) をめぐる状況は、オエクシ側で変化しているか もしれない。オエクシ側からやって来た若者と話 す機会があったが、インドネシア語での会話はス ムーズにいかなかった。インドネシア語の会話を 聞いて、内容をかなり理解はしていると思われる が、あえて自分から会話に参加しようとはしない という様子。