白檀

概観

白檀は中国人、 そしてインド人が求めたものである。1 じっさいにティモールにやってきたのは、 ジャワ Java および Malay の商人たちである。 フィリピンからも来ていたらしい。

  • white sandalwood (Santalum album L)

    そしてニューヘブリデス(バヌアトゥ)) They Came for Sandalwood [@shineberg-sandalwood] は面白そうな本だ。

芯材がとれるまでに20年から50年かかる。 50 kg から 110 kgとれる。 [@ormeling-56]

油がもっともあるのは根の部分である。

ティモール全体の白檀に関しては "Hau meni, Not Many" (McWilliam) [@mcwilliam-haumeni] が詳しい。 内容は [@mcwilliam-haumeni-summary] を見よ。

用途

白檀は中国人 (そしてインド人)が求めたものである (西洋人がそれにからむのは 仲介者としてだけだったのだろう【SN】)。

The most substantial article of trade was sandalwood, wanted by the Chinese for fragrant offerings on their altars and by the Hindus for cremations of prominent persons. ([@steenbrink-caholics-1] p. 163)

1613年に Kupang に到着し、すぐさま Solor の砦を 落とした Apollonius Scotte も白檀の交易者であった。

現地の人びとは特別な木とはせず、 焚き木に使っていた。 その煙で訪問者たちは気持ちがわるくなったと 文献には書かれている。 また、中国人の来訪の前には、 この木を特別な用途に使っていなかったと 現地の人も言っている。 (以上は[@yoder-wood_and_wax] による。)

名称

かつて

1436年の中国の文献は「ティモールの 山は白檀に覆われており、 ティモールはそれ以外にはなにも 産出しない」と書いた。 ([@mcwilliam-haumeni] p.291)

かつてポルトガルの交易者は、 ティモールの山々は白檀に覆われている、 と書いた。

それゆえにポルトガル人、オランダ人が こぞってここに来たのだ。3

孫引きだが、[@boxer-fildagoes] に 次のような記述がある。 "[A]n English merchant who called at Batavia (Java) in 1625 reported that between 10 and 22 Portuguese galliots [ガレー船] called at Macassar yearly from Macao, Malacca and ports on the Coromandel coast ... They arrived in December and left again in May, using Macassar as an entrepot for the sale of Chinese silks and Indian cotton textiles, which they exchanged for sandalwood in Timor. (Boxer 1948: 177)"

ティモール島では土地の争いはめったにないが、 白檀がからむと別である、と [@nordholt-71]は書く。4

減少

19世紀までには減少し、 20世紀にその交易がすこし盛り返す。

他の地域では絶滅もしたが、 Oecusse は白檀産出の中心地として有名であった。

インドネシア期

Oecusse の白檀は荒廃させられた。 [@yoder-wood_and_wax]

それでも、 まだ生産はある: ティモール・レステの年間生産量は 124 cubic (立法メートル)である。

現在

フォックス(James J. Fox) の『椰子の収穫』[@fox-77]においても、 オルメリングの『ティモール問題』[@ormeling-56]においても、 白檀は過去のものとされている。

じっさい、17世紀半ばには すでにその生産は落ちていたという。 18世紀、19世紀、20世紀と落ち続けている。


  1. 場所は違うが(ニューカレドニア、ロイヤルティ諸島、
  2. see [@mcwilliam-traditions] p. 1127
  3. [@mcwilliam-traditions] からの
  4. Meto のことばで、 白檀の別名は次の通りである: hau lasi (紛争の木)([@mcwilliam-disputes])、 hau nitu (精霊、悪魔の木)、 hau plenat (政府の木) ([@sau-cendana])。