2020-07-23 [News] いかに東ティモールがCOVID-19に対応してきたか

食事、コンピューター、インドネシアについてのひとり言。 ときどき人類学なども。

[2020-07-23] [Pursuit]
原題は HOW TIMOR-LESTE HAS MOBILISED AGAINST COVID-19 — メルボルン大学のページだ。

東ティモールの現在の感染者はゼロである。 これはすばらしい数字だ。 「しかし」と記事は続く。 問題は、もちろん、これからだ、と。

東ティモールは3月には国境を閉じている。 最も影響を受けたのは海外に取り残された 留学生だった — 政府はきちんとかれらをサポートしていたという。 (日本ではどうだったんだろう?) インドネシアとの国境の警備も厳格だった。 5月末の時点で東ティモールの感染者は24名だった — ほとんどがインドネシアから帰国した留学生だったという。 現在、その人たちの治療も完了している。

この記事のいいところは「村の生活」について 触れているところだ。 ぼくの調査しているフローレス島(インドネシアの NTT州)もそうだが、 この辺では都市部と村落部とはまるで外国のように違うのだ。 ニュースは都市部からだけであり、 村落部がいまどんな状況なのかがまったく分からないのだ。 さて、この記事によると、 いささか紋切り型の言い方をすれば、 村では伝統的な対策と近代的な対策が行なわれているという。 長老たちは儀礼を行ない、先祖にうかがいをたてるという 形で この非常時に対応している。 同時に、ひとびとはデジタル技術で情報を収集しているというのだ。 それなりに豊かな国の西部では生活は さほど変化していないという。 村人はCOVID-19より、むしろ、雨が気がかりだという。

そして、7月の初旬には感染者がゼロになり、 国際便が(週に1便)再開されることになった。 これ迄は東ティモールは、コロナ禍にうまく対処してきたと 言えるだろう。 しかし問題はこれからである。 とりわけ 精神的な側面が大事である、と 記事は結ぶ。